弁護士の選び方

   インターネットで「自己破産」で検索すると、多くの法律事務所がヒットします。

   しかし、サラリーマンや個人の破産と異なり、会社や個人事業主の破産手続は、高度の専門性が必要です。会社や個人事業主の破産の申立て経験が豊富だったり、破産管財人の経験が豊富な弁護士は、それほど多いとは言えません。

   法律事務所のホームページなどで弁護士を探すときには、会社や事業者の破産についての情報が豊富かどうか、よく扱っているかどうかを十分にチェックした方がよいでしょう。

   弁護士登録をした年度を確認し、まだ登録して２～３年しか経っていないようなケースの場合、経験が不十分な可能性もありますので、注意が必要です。

   他方で、破産に関する法律や手続はどんどん新しく変わりますので、弁護士経験が数十年あるからといって、知識が豊富とは限りません。会って相談したときに、質問に対して的確な答えが返ってくるかどうかが最も重要でしょう。

   会社や個人事業主の破産手続きの際には、弁護士が何度も現地を訪れたり、頻繁に打ち合わせをしたりする必要があります。

   そのため、遠隔地の弁護士に依頼すると、手続に時間がかかったり、緊急の対応に支障が生じることがあります。

   また、地域によって取引の慣習なども異なることがありますので、地元に密着した弁護士事務所に依頼されることを強くお勧めします。

   せっかく、あなたがこれまで築いてきた会社を閉める手続なのですから、弁護士がどのような手続をしていくのか、しっかりと把握できた方がよいでしょう。

   「細かいことは気にせず、うちに任せれば大丈夫」というタイプの弁護士よりは、流れや必要事項についてしっかりと説明をしてくれる弁護士の方が、何かと安心です。

   また、弁護士費用についても、しっかりと具体的に説明をしてくれる弁護士を選びましょう。「費用のことは心配する必要はないから」と言ったような、あいまいな説明では無く、弁護士の報酬がいくらで、その他の費用にいくらいるかをきっちりと確認してみましょう。

   破産手続きをしていくにあたっては、弁護士と何度も相談・打ち合わせをしていく必要があります。したがって、あらゆる点で、「相談がしやすい」弁護士であることが重要です。

　たとえば、

• こちらの話をしっかりと聞いてくれる弁護士か？
• 威圧的な態度ではないか？
• 質問に対して的確にアドバイスしてくれるか？
• 相談ごとに追加料金をとられないか？
• 依頼後はメールや電話などの手段でも相談に乗ってもらえるのか？
• 夜遅くまで営業しているか？
• 法律事務所の場所が遠くないか？アクセスがよい場所にあるか？

などの点は、十分にチェックをした方がよいでしょう。